環境世界(続)

・・・自然科学者のさまざまな環境世界において、客体としての自然が演ずる役割は、きわめて矛盾に満ちたものである。その客観的性質を一つにまとめあげようとするならば、混沌が生まれてくるだけであろう。しかもなお、これらさまざまな環境世界はすべて、あらゆる環境世界に対して永遠に閉ざされた一つのものによって、育てられ、担われている。それによって生み出される全ての世界の背後には、永遠に認識することが出来ない主体ー自然が隠されている。

ヤーコプ・フォン・ユクスキュル 「生物から見た世界」第十四章から

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